ご挨拶
第8回透析運動療法研究会
大会長 伊丹 儀友
(医療法人友秀会 伊丹腎クリニック 院長)
今回北海道での開催が透析患者への運動療法の取り組みの原点としたいと考えました。
当研究会は例年2月に開催されています。しかし、近年の2月の北海道は天候不順のために交通機関の欠航・遅延が多く、参加者や専門家の皆様へご迷惑をお掛けすると考え、北海道のベストシーズンである7月に開催日を変えさせていただきました。ご高配に感謝申し上げます。
現在、本邦の透析患者の4分の3は65歳以上の高齢者です。高齢者はより長く生きることよりも独立したADLを保ち、それを維持し苦痛のない毎日を過ごせることを望んでいます。
一方 介護前または予備状態といわれるフレイルは透析患者に高頻度に認められ、その予防および悪化させないための筋力の維持は重要です。
今まで慢性腎臓病といえば安静を患者に強いていたことが多く、そのために透析患者に運動を行うという考えは新しく、まだ広く伝わっていないと思います。
心臓リハビリテーションでの経験などを通して、臓器の特性を考慮してのリハビリーが患者(透析患者を含む)に有益であることが近年示されています。
冬期間雪に囲まれるという条件下で、戸外での活動・運動が制限され、運動量が減少する北海道の患者にとって 透析中または透析室において運動するという方法・試みは新たな展開を促すと考えています。
ぜひ 北海道の透析患者に運動療法が広まり、ADLおよびQOLの高さを維持してもらいたい一心で、高齢が「幸せな年齢」(幸齢)となるようなそんな取り組みの起爆剤となる研究会を企画しました。
全道、全国の経験者と専門家のお力をお借りして会を盛り立ててもらいたいと願っております。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。